雨の朝霧高原 キャンプ~小説風~

ÅみなみかぜÅ

2016年10月06日 01:30


グレゴリーのダッフルバッグの中を探すのはこれでもう3回目だ。

雨脚がますます強くなってきた。キャンプ場の隅にある炊事棟のトタン屋根にバラバラと小石のように雨粒が音をたててうちつける。
ミナミはうらみがましく空を見上げた。

朝霧高原 ジャンボリーキャンプ場。
雨足が強くなる前にと、小雨の早朝にパッキングを済ませたのだが
さぁ出発というところでバイクのキーがない事に気付いた。

当初はいつもの事と、たかをくくっていた。
おそらく ポケットのどこかかタンクバッグ ディパックの底とか、 たいていはそんな所にあるものだ。そのはずだった。

しかし 今度ばかりはどこを探ってもキーは見当たらない。そしてその内に雨が強くなってきた。
しかたなくパッキングした荷物をすべて炊事棟に運び込んだ。




こんな事を一体何度繰り返かえしただろう、 ほんとに自分の学習能力の低さに我ながら呆れる。

しかし今度ばかりはシャレにもならない、なんせこの雨だ。

炊事棟の屋根の下で荷物を広げて、もう一度探す。
濡れたまま畳んだテントのフライ、インナー、ペグの袋の中も。リュック 食料袋 タンクバッグ。ヘリノックスの袋、もちろんシュラフも袋から出して確認した。
こうしてあらゆる場所をもう2回づつ探している。



炊事棟の側らにある坂道に雨が集まり小さな川のようになってきた。
このまま降り続けると林道にクレバスを作り走り辛くなりそうだ。




こんなに雨が強くなると昨夜エサをねだりに来た猫の親子はどこに避難しているのだろう?

そんな思いにかられてモノ探しの手が止まり 昨夜の猫の親子の姿を目で探す





いけない、現実逃避だ。猫たちの行く末よりも キーを探さなければいけない。
消えるワケはない、どこかに必ずあるはずだ。最後にバイクを移動した昨夜からテント撤収の今朝まで私の行動半径はこの20m以内なのだから。

このまま、キーが見つからない場合の善後策も考え始めていた。

ダンナさんに電話して合鍵を持ってきてもらうか・・・、車で3時間はかかりそうだが頼めばイヤとは言わないだろう。

あるいはタクシーかバスで河口湖駅まで出て軽トラをレンタするのはどうだろう?
ずいぶん時間も金もかかりそうだ。第一にハンドルがロックしたままでは一人で荷台にピックアップするのは無理だろう。
JAFを呼んだら ハンドルロック解除と直結をしてくれるのか?

やはりバイクを置いて帰って電車で戻り、後日 自分で取りに来るのが一番現実的か・・・

もう一度、 フライとインナーテントを広げて見てみよう。時間はいくらでもあるのだから。

 
空の雲が少し明るくなってきた、ヤフーの雨雲レーダーによればこの強い雨は30分ほどで遠ざかるはずだ。

その時 インナーテントのメッシュポケットの奥での金属音とともに キーホルダーにしているカナビラが指先にあたった。




 
なーんて、三文小説風にしてみました

週末のジャンボリーキャンプ場 ちゃんとしたキャンプレポ (まじめに)後日あげまーす


 
  




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